ゴールドポイント
このご時世にボールペン1本でも送料無料で迅速に届けてくれるヨドバシ、ちょっと心配になるくらいですが一般庶民の強い味方です。そして他の量販店の例にも漏れず、ヨドバシにもポイントシステムがあるのは皆さんもご存じでしょう。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_point_logo.png)
買い物をするとその額の、例えば 10% 相当のゴールドポイントがもらえます。貯めたポイントは次回以降のお買い物で 1ポイント 1円として使えちゃいます。これがゴールドポイントシステムです。
でもポイントを利用した場合、その利用分にはポイントは付きません。新たに支払った現金相当部分(電子マネーやクレジットカード払い etc.)にだけポイントが付きます。このようなシステムはそれほど珍しいものではなく、世の多くのポイントシステムはこうですね。楽天ポイントみたいな例外もありますが。
ポイント還元まで考えるとお安い商品でも、ポイントで払ってしまうともらえるポイントが目減りしてしまう = 還元率が悪化する ので、ポイントをどう使うかは非常に悩ましい問題なのです。こんな場合のセオリーは、ポイントの付かない端数部分にポイントを使うのです。例えば 10% 還元商品で 97円のものを買う時、端数の 7円部分をポイントで払うんです。そうすると、ポイントを消費しつつももらえるポイントは 9P のままで目減りしないのです。他の多くのお店のポイントシステムでは。
アマチュアゴールドポイント利用者
でもこのゴールドポイント、ちょっと特殊な点があります。なんと端数切り上げなのです。つまり 10% 還元商品に現金相当を 97円払うと、9P ではなく 10P もらえてしまうのです。ヨドバシの通販サイトで試してみます。
カートに 97円の商品を 1つ入れました。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_cart1.png)
このままお会計に進むとこんな感じで 10P もらえることが分かります。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_cart1_0p.png)
確かに 9P ではなく 10P ですね。切り上がってます。
もしここで、端数の 7円を全てをポイントで払うとこうなってしまいます。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_cart1_7p.png)
もらえるポイントが 9P に減ってしまいました。支払う額が 90円ちょうどなので、切り上げる端数が無いためです。なので次のように 6P 利用にして
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_cart1_6p.png)
支払いをあえて 91円という半端な額にすると、10P もらえるようになります。
つまりヨドバシでのポイント払いのセオリーはこういうことになります。
さっそく活用できますね。これであなたも一端のゴールドポイント利用者です。
アマチュアレベルですが。
アマに立ちはだかる壁
このゴールドポイント、こんな単純な話では終わりません。商品を複数買った場合はどうなるでしょうか?カートに 97円の商品を 2つ入れてみます。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_cart2.png)
お会計はこんな感じ。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_cart2_0p.png)
見出したセオリーに則ると、ここで 3P 使っても支払いは 191円となり、端数切り上げでもらえるポイントは 20P になるはずです。なのであえて 4P 使ってみます。支払い 190円になりますから、19P になるのでしょう。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_cart2_4p.png)
おや?
支払いが 190円なのに、ポイントは 20P もらえちゃうみたいですね。どういうことでしょうか。もう少し探ってみます。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_cart2_13p.png)
なんと 13P 利用してもなおもらえるポイントは 20ポイントです。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_cart2_14p.png)
14P 利用するともらえるポイントが 18P に減りました。一気に 2P の減少です。
アマチュアレベルから脱するためには、この謎を解く必要がありそうです。
そしてプロゴールドポイント利用者へ
ポイント還元率 10% の 97円の商品 1つでは、6P まで使っても獲得ポイントは減らず、7P 使ってしまうと減ってしまいました。同じ商品 2つでは、13P まで使っても獲得ポイントは減らず、14P 使ってしまうと減ってしまいました。落ち着いて考えるとここにヒントが見えてきそうですね。
つまりこうです。
97円の商品 2つ購入時に 14P 使った場合、以下のように 7P ずつが個々に充当される感じです。
充当先 | 商品金額 | 充当ポイント | 支払金額 | 還元ポイント |
---|---|---|---|---|
商品1 | 97円 | 7P | 90円 | 9P |
商品2 | 97円 | 7P | 90円 | 9P |
合計 | 194円 | 14P | 180円 | 18P |
そして 13P 使った場合では
充当先 | 商品金額 | 充当ポイント | 支払金額 | 還元ポイント |
---|---|---|---|---|
商品1 | 97円 | 6.5P | 90.5円 | 9.05P → 10P |
商品2 | 97円 | 6.5P | 90.5円 | 9.05P → 10P |
合計 | 194円 | 13P | 181円 | 20P |
となり、それぞれの商品で端数の切り上げが発生しているのです。1円未満部分の端数まで切り上げるとは、非常に律儀ですね!これがヨドバシの本気です。
こんな感じで金額や還元率の違う商品が混在した場合まで含めて検証を進めますと、次ような計算方法にたどり着きました。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_expr.gif)
Round は小数四捨五入、Ceil は小数切り上げです。n はひとつひとつの商品を表します。
簡単に説明すると、支払いポイントは全ての商品の合計額に対するその商品の価格で案分して充当され、その残額(現金払い相当額)に対してポイントが付き、切り上げられるというわけです。
プロゴールドポイント利用者への道が見えました。
ヨドバシポイント最適払い計算機
ポイントの計算式が判明したので、それを利用して最適払い計算機を作ってみました。オンラインでお試しいただけますが JavaScript製で Webブラウザ上で完結して動作するので、ダウンロードしてオフラインで動かすこともできます。外部ファイルの参照もなく、1つのファイルで全部です。ローカルファイルへのショートカットなどを作っておくと、日常の会話の中でもサッとポイントを求められます。
ヨドバシポイント最適払い計算機
http://takebo.html.xdomain.jp/tools/yodop.html
※たまにサーバの更新を忘れてリンク切れしてますが、その時は教えてください
使い方ですが、まず中を見て楽しむというのもアリなのですがとりあえず画面にある「書式」に従って購入するものの金額を並べてください。行毎に数量や還元率も指定できます。そして「計算」ボタンを押すと、獲得ポイントが多い順に支払いポイントの候補が列挙されます。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_optimizer1.gif)
一番上の行がポイント利用をしない場合で、赤い行は最も良い候補です。黄色い行はポイント利用をしない場合よりも還元率が上回る候補です。
還元率順で並べ替えることもできます。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_optimizer2.gif)
還元率は以下の式で評価しています。
![](https://takebo.wpxblog.jp/wp-content/uploads/yodobashi_expr2.gif)
考え方はいろいろあると思うのですが、支払った現金に加えてポイントを利用したことによって目減りする獲得ポイントも支払いコストとすることにしました。式の分母がそれに当たります。
この評価では、必ずしも獲得ポイントを多くすることが得とは限らないということが分かりますし、案外ポイントをたくさん使えるチャンスがあることも分かりますね。
精進は続く
謎の多かったヨドバシポイントですが、かなりクリアになりましたね。煩雑な計算も機械に押し付けることができましたし、これでヨドバシの心意気にも全力で応えることができます。
ただ、勘のいい方はすでにお気付きかもしれませんが、さらに還元率を高くする支払い方があるのです。ポイント充当が商品価格の案分によって行われるという点、これは必ずしもベストなポイント配分になりません。なので、この配分をコントロールして最適化する余地があります。つくづく奥が深いものです。
というわけで、気が向いたらまた記事を書きます。